税理士の提供するサービス

税理士事務所のサービスは昔に比べ変わりました。
僕はどちらかというと変化が遅い方なので、意識してその変化についていかないと。

何がどう変わったのか?
・記帳代行
・税務申告
・アドバイス(簡単)
・アドバイス(複雑)
に分けて考えます。

ちなみに、僕のいう「昔」「変わった」などは、
僕がこの業界に入る5~10年前からの変化を指すので、
20~15年前から現在(2018年)のギャップを指すと思ってください。

1. 記帳代行

これは、本質的には何も変わっていないかもしれません。
ただ、ツールが劇的に変化しているので、環境と数は変わっています。

昔も今も、基本的には、
・記帳が面倒
・記帳する人がそもそも会社にいない
・アウトソーシングできるものはする
という姿勢の会社さんが、記帳代行を依頼されている気がします。

手書きの時代から、現在は自動仕訳の時代にまできています。
そのため、記帳が面倒だという人の数が少なくなっていたり、
記帳する人がいないという状況にならなかったり、というのはあると思います。

そういった絶対数の変化はあります。
そのため、業界的には以前から「自計化」が叫ばれたりもします。
でも一定数は、記帳代行を使ってくれる会社さんは存在し続けるでしょう。

2. 税務申告

何も変わっていません。
ツールが便利になったりしているだけです。

ただし、今後はわかりません。
今は申告書を自身で作る会社さんは非常に少ないです。
特に、能力の関係から税理士事務所にアウトソーシングしているのが大きな理由でしょう。

今後は、このあたりのツールの進化が見込まれます。
仕訳(特に自動仕訳)に特定のスイッチを入れることで、
法人税申告書に連動させることは難しくないはずです。

心配されるのは、税額の適正計算からの差異だと思いますが、
これが税理士事務所の年間コストとシビアに比較される時代が来ると予想します。
というか、僕ならそこを比較します。

3. アドバイス(簡単)

ここは変わったと思います。
アドバイスする内容が変わったのではなく、
クライアントが「アドバイスしてもらっていない」ということに気付く可能性が劇的に高くなったということです。

インターネット情報の時代だからです。

簡単な税務アドバイス、節税アドバイスなんかは、Google先生に聞けばすぐ出てきます。
それゆえ、若い経営者やフリーランスの方々は、そういった情報が入りやすい環境となりました。

昔は、極端に言えば
「税理士事務所から聞いていない節税アドバイスは、そのクライアントにとってはこの世に存在しない」
に近い環境だったのではないでしょうか。
もちろん、経営者間の繋がりはあったはずなので、完全にこの環境ではないですが。

簡単な節税アドバイスは、すぐに情報が入手できます。
その情報を税理士事務所から聞いていなければ、
「高い顧問料を払っているのに、そんなことも教えてくれない」
に、そりゃあなりますよね。

ということで、昔はこの手のアドバイスは、税理士事務所にとって点数加算に類するものでしたが、
現在は、点数減算の対象になっているということです。
明日は我が身。

4. アドバイス(複雑)

これは、変わったといえば変わりました。
変わっていないといえば変わっていません。

変わった点

税制やスキームが高度に複雑化し過ぎています。
そのため、一般的な税理士事務所では対応できない案件が昔より増えていると思います。

この場合は、個別案件だけ特化事務所を頼ることになるでしょう。
それが、あるべきスタイルです。
別にそれでクライアントを持っていかれる訳ではないので…。
(と思いたい。)

変わっていない点

簡単なアドバイスと比較すると、
複雑性の高いアドバイスは、まだまだGoogle先生では教えてくれません。
税務知識の乏しい人が、個別事例を一般化できないからです。

そういった点では、昔も今も、ここは税理士事務所のやるべきサービスとして残っています。
AIの時代になっても最後まで残るのが、この部分の仕事かもしれません。

5. 総括

これを書き出したきっかけもそうなんですが、
簡単な税務アドバイスを、もっとできるようにならんといかんと思いました。
その手間を惜しんで失う点数が、手間と比較すると大き過ぎるからです。

苦手ですが、ここは強化します。

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