消費税の益税についての一考察(短文)

まず。
めちゃくちゃ投稿の間が空いてしまいました。
誰も読んでいないと思いますが、ごめんなさい。
力不足です。

さて、消費税の益税の話。
免税点制度と簡易課税制度の影響によるものです。

消費税の負担者は、消費者。
消費税の納税義務者は、事業者。
益税とは、消費者が負担した消費税額が、
ストレートに国庫に納付されず、事業者に歩留まることを指します。

1. 益税の総額

消費税の益税額に関する、
正確な金額を算出した、公的発表は、無いものと思われます。
推計による計算が、実質的なアプローチ方法となる。

「消費税における益税の推計」という論文がある。
http://www.jbaudit.go.jp/koryu/study/mag/pdf/j43d04.pdf

ここで紹介されている推計方法は、深く考察しないが、
結論としては、2005年、2006年、2007年の益税額は、
二つの推計方法で、約4,000億円~5,000億円とされている。

2007年までしか、推計の数字がなく、
2005年に、簡易課税制度の適用できる課税売上高が、5,000万円に引き下げられている。

この後、2014年に、消費税率が5%から8%に上昇している。
ここで、単純に、2005年~2007年の推計額である、4~5,000億円を、
8%に引き直してみます。

4,500億円 × 8%/5% = 約7,200億円

これを、現時点(2019年)時点での、消費税の益税額として、考察を進めます。

2. 簡易課税制度による益税額

これも、同論文から、数字を用います。

2005年の簡易課税制度による、益税額、約1,189億円。
これも、8%に引き直します。

1,189億円 × 8%/5% = 約1,900億円

3. 免税点制度による益税額

7,200億円 - 1,900億円 = 5,300億円(消費税率8%時点)

これを、免税点制度による、益税額と推定します。
この益税額が、将来的には、解消されてしまう。
その可能性が十分に考えられる改正が、既に決まっています。
今般の消費税率10%、軽減税率制度、日本版インボイス制度の導入、
この中の、日本版インボイス制度の導入が、それに当たります。

4. 日本版インボイス制度と事業者免税点制度

結論から言いますと、
改正後、
免税事業者は、
インボイスとなる請求書等を、発行できません。

つまり、支払側の事業者で、
消費税の仕入税額控除が適用できないのです。

これが、いわゆる
「取引から免税事業者が締め出される」
という言われる所以です。

現行の単純な帳簿保存方式による、
消費税の仕入税額控除の計算は、
支払った相手先が、免税事業者か課税事業者かを、問いません。
どちらか不明なのだから、不利に処理しなくていいのです。

しかし、2023年10月1日以降、
『適格請求書等保存方式』が導入された暁には、
適格請求書の要件が満たされない限り、
その請求書等に係る支払についての、仕入税額控除は、認められません。

この適格請求書の要件に、
発行事業者登録が、求められているのです。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf
発行事業者は、課税事業者のみであり、
免税事業者は、発行事業者になることができません。

緩和措置として、
2023年10月1日~2026年9月30日 の間については、80%
2026年10月1日~2029年9月30日 の間については、50%
の範囲内で、免税事業者からの仕入税額控除が認められます。

しかし、経理処理部隊の、処理の煩雑性など、
目に見えない忌避の動きが、生じる可能性は十分に考えられます。

例えば「免税事業者である個人タクシーには乗るな」です。
更には「あのお菓子屋さん、免税事業者だね。あそこで買わないでおこう」です。

国としては、
益税額が減少することは、
財政的に喜ばしいことです。

しかし、その益税が無ければ、事業が立ち行かなくなる。
その可能性が高いのが、免税点以下の事業者でもあるのです。

弁護士の関根稔先生が、よく話されています。
「軽減税率導入など、財務省に喧嘩を売ると、最後に勝つのは財務省」
それを、目の当たりにすることになると思います。

今年の10月から、
消費税が10%に上がります。(まだ未定だそうですけど)
これは、消費者にとって、関心の大きな改正です。

しかし、その4年後の日本版インボイス制度の導入、
日本の中小零細事業者に、大きな影響があると思われます。
益税に頼らない、価格交渉力を持つ。
その準備を、今から行っていく必要があるのかもしれません。

    消費税の益税についての一考察(短文)” に対して1件のコメントがあります。

    1. さと より:

      「益税」という単語、言葉はいつからある言葉なのでしょうか。そしてどこでできた言葉なのか…?
      知っている方がいたら教えてください。消費税導入時は使われていなかった言葉なのではないでしょうか?免税業者という言葉は使われますが益税業者という言葉は聞かないし「益税」という単語も最近になってよく知られるようになったような気がします。ご存じの方いらっしゃれば教えてください。

    2. 匿名 より:

      まさかちゃんと税理士事務所立ち上げてるとは
      凄いね!

      1. tempa1010 より:

        どなたかを判定することができない状態ですが、コメントありがとうございます。

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